あなたは、本気で誰かを愛したことがありますか?誰かからそんな質問をされた場合、私はこう答えます「付き合った相手は、全員本気で愛していました」と。相手がどう思っていたかは知りませんが。
このエピソードは、そんな問いかけから始まります。
#2 恋のキューピッドは世話好き記者

恋愛アプリの開発者ジョシュア(デーヴ・パテール)に、ニューヨーク・タイムズ紙の記者ジュリー(キャサリン・キーナー)が尋ねます、「本気で誰かを愛したことがある?」
そんな質問の答えとして、ジョシュアはエマ(ケイトリン・マクギー)とのことを、そしてジュリーはマイケル(アンディー・ガルシア)とのことを、それぞれ語り合います。
ジョシュアとエマ
大事な面接の待ち時間に、ナンパするのは如何なものか。不謹慎?でもジョシュアは思ったんですね、ここで声をかけなければ二度と会えなくなってしまうと。
割と惚れっぽい性格の私でも、そんな風に思った人なんて1人もいませんでしたけど、これは俗に言う運命の出会いってやつですかね、ピ~ンときたんでしょう。まあ、本当のところはエマのことがタイプだったから声をかけただけでしょうが。
そんな出会いの2人ですが、デートを重ね付き合うことになり、そして同棲するまでにいたります。
ここで、同棲経験者である私から一言言わせてもらえば、恋人同士が安易に同棲を始めると、待ってる先は地獄です。恋人と常に一緒にいたい?ただの依存症です。2人で住めば生活費が浮く?その分贅沢になるだけです。次第に、お互いがお互いの行動を制限するようになって、結果同棲して得たものは何かといえば、ストレスだけ、になります。
そんな(状況ではなかったと思いますが)ジョシュアとエマの同棲生活に終止符を打つエマの告白。
いや~まずかったですね、正直に告白しちゃったのもどうかと思いますが、元カレと寝ちゃったけど10秒でやめたって。え~?10秒でやめたぁ~?10秒で終わったの間違えじゃないのぉ~?そこのところ正確に言わないと、ジョシュアもぐっすり眠れないじゃないですか。
出ていこうとするジョシュアに、エマも食い下がって「愛してるのは、あなただけなの」なんて言っていますが、この状況じゃ結婚詐欺師でも言えないセリフですよ。
なんなんでしょう、愛する人を裏切るようなことをしておいて、10秒だから許せとでも言うのでしょうか。もしそれでジョシュアが許していたら、それはもう愛じゃなくて打算でしょう。
ジュリーとマイケル
ちょっとしたすれ違いが原因で、お互いに別々の人生を歩むことになってしまったジュリーとマイケル。
その17年後、ジュリーのサイン会に現れたマイケルは、なぜすれ違ってしまったのか、当時のことを話し始めます。そして長年どこかに引っかかっていたものが、スーっとなくなり当時の関係に戻るのかと思いきや、そこは大人でした。
お互いに、今の生活にもやもやしたものを抱えていましたが、この再会が改めて人生を歩みだすきっかけになりました。
2人がもっと若いうちに再会していたら、どうなっていたかわからなかった、というニュアンスが含まれていましたが、まだ若いジョシュアとエマが手遅れにならないようにと、2人の再会の手助けをしてあげるジュリーでした。
道ですれ違った
ジョシュアとエマ。ジョシュアは彼女が横にいるのに、やっぱりエマじゃないとだめなんだ、と再び気持ちが燃え上がります。一方、エマの隣りにいたのは婚約者。2年間婚約中のまま未だ結婚せず、ということは、婚約まではしたけどずっとジョシュアのことが気になっていて踏ん切りがつかなかった、という解釈でよろしいでしょうか。
それでジョシュアについて書いたジュリーの記事を読んだエマ。思い出の動物園で再会し、ハッピーエンド・・。
う~ん、エマはまた裏切りましたね。
誰をかって?
婚約者でしょーよー。
ぶっちゃけ
エピソードまるまるジュリーとマイケルの話だけでも良かったと思っていますが、よくよく考えてみるとジョシュアとエマの話があるからこそ、ジュリーとマイケルの話が、より心にグッとくるのかなぁとも思います。
それにしても、エマ・・。
■■■デーヴ・パテール Dev Patel■■■
image:IMDb.com, Inc.
1990年イギリス・ロンドン生まれ
2017年『Lion』でアカデミー賞助演男優賞ノミネート、ゴールデングローブ賞助演男優賞ノミネート、英国アカデミー賞助演男優賞受賞
など全19賞受賞
『ホテル・ムンバイ』
『Lion』
『チャッピー』
『スラムドッグ・ミリオネア』など
次回作は、オスカー女優アリシア・ヴィキャンデルと共演の2020年『Green Knight』(原題)
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