(c) Netflix
原題:Otherhood
原作:「Whatever Makes You Happy」ウィリアム・サトクリフ
監督:シンディー・チュパック
公開:2019年
製作国:アメリカ
配信:Netflix(オリジナル)
時間:1時間40分
字幕:英語・日本語
音声:英語・日本語
あらすじ
もういい大人な息子を持つ3人の母親、立派に息子たちを育て上げたつもりだったが、母の日でさえないがしろにされてしまう。
息子たちに会いたい気持ちと、どんな暮らしをしているのかを知るために、ノーアポで息子たちの所へ押し掛けることにする。
キャスト
メインキャスト
アンジェラ・バセット(キャロル・ウォーカー)
Angela Bassett
1958年アメリカ生まれ
「ミッション・インポッシブル/フォールアウト」
「ブラックパンサー」
「グリーン・ランタン」
「TINA ティナ」(ゴールデングローブ賞)
パトリシア・アークエット(ジリアン・リーバーマン)
Patricia Arquette
1968年アメリカ生まれ
「6才のボクが、大人になるまで。」(アカデミー賞・ゴールデングローブ賞)
「ミディアム 霊能者アリソン・デュボア」(エミー賞)
「ナイト・ウォッチ」
「トゥルー・ロマンス」
フェリシティー・ハフマン(ヘレン・ハルストン)
Felicity Huffman
1962年アメリカ生まれ
「アメリカン・クライム」
「デスパレートな妻たち」(エミー賞)
「ビッグゲーム 大統領と少年ハンター」
「トランスアメリカ」(ゴールデングローブ賞)
その他のキャスト
ジェイク・ホフマン(ダニエル・リーバーマン)
ジェイク・レイシー(ポール・ハルストン=マイヤーズ)
シンカ・ウォールズ(マット・ウォーカー)
ハイディ・ガードナー(エリン)
スティーヴン・クンケン(ジョエル・リーバーマン)
ダミアン・ヤング(フランク)
アフトン・ウィリアムソン(ジュリア)
ベッキー・ニュートン(アンドレア)
見どころ
実際に母親でもある3人の実力派女優が、それぞれ三者三様の母親役をとても個性的に演じています。
母親は、子供がいくつになっても母親であり、たとえ独立して生活を別にしていても、心配の種は尽きないものです。そんな母親を初めは鬱陶しく思っていた息子たちですが、わずか数日一緒に過ごしただけで自分たちの考え方が変わっていくのを感じます。
感想
息子の仕事にケチをつけるのは、キャロル
親って、子供の人生に対して勝手に理想像を描いていたりします。いい学校を出ていい会社に入って、いい人と結婚して・・家業があれば継いでもらいたいと思っていたり、まあ少なくても自分たちよりは裕福で幸せな人生を送ってもらいたいと思っているものです。
一方の子供にしてみれば、自分の人生好きなように生きたいと思っています。仮に将来の夢があって、それに向かって一生懸命頑張っている人は、なおさら口出しされたくないと思っています。
しかし、目標とするものがピンポイントであればあるほど、たどり着ける確率が小さくなっていくのも事実です。結局どこかで妥協して、どこかで諦めて、そしてどこかで現実を直視せざるをえなくなるのが多数の現実です。
キャロルの息子は、エロ本よりはお洒落な若い男性向け雑誌のアートディレクターという職に就いていて、”これが俺の仕事なんだ”と、それなりに満足しているようなので、道を外れそうになったとき以外は(ちょっと外れそうになっていましたが)そっとやりたいようにさせておくのがベストな気がします。
息子の恋愛に口を出すのは、ジリアン
人の表情と立ち居振る舞いを見て60%、1,2時間一緒に過ごせば80%、の確率でその人が性悪かどうかが分かります。一度悪い印象を持ってしまうと、その印象が覆るのはなかなか難しいものがあります。
昔私がお付き合いしていた女性は、2,3回目のデートで、走っている車の助手席からゴミを投げ捨てたことがあります。いくら惚れているとはいえ、さすがにドン引きしましたが、本人曰く、「いつもやってる」。
おおお俺は、こここんなクズに惚れていたのか・・と嘆いたのを覚えています。見える範囲での悪態はなんとか矯正しましたが、知らないところでは何をやっているのか怪しいものでした。
ジリアンは、息子の(元)彼女に実際に会って考えが変わります。また、息子の気持ちを読み取りそっと背中を押してあげました。人の気持ちを汲み取るのって意外と難しいわけですが、親子ならではの率直な付き合いから、今回のようにハマると効果は絶大なんですね。
息子からカミングアウトされていないのは、ヘレン
ヘレンは、自分だけ息子からゲイだとカミングアウトされていないことに腹を立ててしいます。そのことを、昔から気づいていたのでなおさらです。息子にしてみれば、知ってるだろうからあえて言わなかったようですが。
親に言えないことって、皆少なからずあると思いますが、とくにセクシャリティに関することとなると、余計に腰が引けてしまうものです。カミングアウトして、理解してもらえるだろうか、理解できなくても受け入れてはくれるだろうか・・
最近では、LGBTQの話題も頻繁に挙がるようになり、映画やドラマでもそういったシーンが当たり前のように見られるようになってきたので、知識としては浸透してきていると思います。
ただ、大多数の人にとっては、やはり他人事なわけです。世の中には、ストレートしか認めない人や、逆に理解を示す人もいるでしょう。お互いの主張を押し付け合うのではなくて、最低限尊重し合える社会に生きたいものです。
親は、ずっと親
親って、子供が独立してからも何かと探りを入れてきたりします。どんなものを食べているかとか、恋人はいるのかとか。いくつになっても子供は子供、いつまでたっても心配の種なんですね。
私は親元を離れて暮らしていますが、住んでいるのは同区内です。何かあった時には、すぐ帰れるように今のところを選びました・・というのは真っ赤なウソで、自分の理想に対して今の所がベストだっただけです。
でも最近は、実家と近くて良かったと思うようになりました。幸い両親共に元気に生活していますが、歳もそれなりなので多少は気にかけてあげないといけないと思っています。
私は自分のことを”おっさん”と書いていますが、実はそれほど”おっさん”ではありません。コーラも飲みますし、揚げ物を食べても胸焼け胃もたれ全くしません、血圧も正常値です。
話を戻しますが、私はもういい大人ですが、たまに父親が訪ねて来ることがあります。「太ったなぁ、ちゃんと食ってる?」(食べ過ぎるから太るんですよ)一応私も自立しているので、その辺見れば安心材料にはなるはずなのですが。
毎回他愛もない話をして終わるのですが、表情からは私のことを心配しているのが伝わってきます。親っていつまでもそういうものなのでしょう、本当はもうそろそろ立場が逆になってもいい頃なんですけどね。心配ではなくて安心させてあげないといけませんね。