(c) 2019 Aviron Pictures LLC.
作品情報

原題:After
原作:「After」Anna Todd
監督:ジェニー・ゲージ
公開:2019年
製作国:アメリカ
配信:Netflix(オリジナル)
時間:1時間45分
字幕:英語・日本語
音声:英語・日本語

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After (2019) on IMDb

原作は同名のベストセラー小説「After」。総合評価は大したことありませんが、ティーン女子に限ってみればもっと評価は高いです。
原作者アナ・トッドはプロデューサーとしても参加し、カメオ出演までしています。

あらすじ

ノアという年下彼氏がいるガリ勉テッサは、ちょっと服の趣味がダサいが、とても可愛い。大学入学で寮に入り、そしてちょっぴりミステリアスでちょいワルなハーディンに出会う。

ハーディンは仲間に、「テッサを自分に惚れさせ、そして最後に振る。」と宣言する。

何も知らないテッサは、ハーディンのアプローチにどんどん惹かれていき、そしてついには本気になってしまう・・・

キャスト

メインキャスト

ジョセフィン・ラングフォード( テッサ・ヤング )

Josephine Langford
1997年オーストラリア生まれ
姉はキャサリン・ラングフォード(「13の理由」ハンナ・ベーカー)

ジュリア・ゴルダニ・テレスの代役として急遽キャスティングされたため、準備期間が1週間ほどしかなかった。

ヒーロー・ファインズ・ティフィン( ハーディン・スコット )

Hero Fiennes-Tiffin
1997年イギリス生まれ
叔父はレイフ・ファインズ

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」で11歳のトム・リドルを演じた

その他のキャスト

カディジャ・レッド・サンダー(ステフ)
ディラン・アーノルド(ノア)
シェーン・ポール・マクギー(ランドン)
スウェン・テメル(ジェイス)

サミュエル・ラーセン(ゼッド)
イナンナ・サルキス(モリー)
セルマ・ブレア(キャロル)
ピア・ミア(トリスタン)

見どころ

テッサの移り気、そして本気

幼馴染として、そして恋人として付き合ってきたテッサとノア。テッサが大学に進学してハーディンと出会ったことによって、テッサの気持ちの先がノアからハーディンに徐々に移っていきます。

まだまだキャリアの浅いジョセフィン・ラングフォードですが、同世代の主人公テッサの気持ちの変化から初体験のベッドシーンまで、上手に演じきっています。

ティーンには共感を、ミドルには若い頃の思い出を

高校を卒業して大学に入って、以前に比べて格段に広がった世界で素敵な人に出会って恋に落ちる。テッサと同世代の女子たちはリアルで似たような生活をしているので、感情移入しやすく共感もしやすいはず。

一方、ミドルにしてみれば大学時代の恋人を思い出し、何か胸の奥に甘酸っぱいものがこみ上げてきて(決して胃酸ではない)、当時の写真なんかを見返しちゃったりするキッカケになったりします。

感想

高校時代のカップルは、卒業したらほぼ別れる

私の独自調査によると、高校時代どんなにラブラブなカップルでも、卒業したら半年以内に95%が別れます。この原因は、主に2つのことが考えられます。

現実の距離が心の距離へ

進路が違えば、生活圏も変わってきます。お互いの生活圏が違えば当然一緒にいる時間は少なくなります。地元は一緒でも、よくいる場所が横浜と池袋くらいの微妙な距離感が生まれ、それが心の中でどんどん長くなっていくのです。

遠距離恋愛が典型的ですが、実際に離れている時間が長くなればなるほど、心の距離も長くなるものです。

テッサとノアは、学生寮と地元という接点のほぼない環境に置かれます。仮にハーディンの存在がなかったとしても、会えない時間が長くなると女子はこう考えるようになります。

「こんなの、付き合ってる意味ないじゃん!」

恋人との付き合いにどんな意味を見い出すかは人によりますが、テッサの周りには(名門大学らしいので)将来有望な男子たちがウジャウジャいるわけで、テッサが近場で魅力的な人に惹かれるのは必然なのです。

大人の階段を登り始めると、恋愛対象も変わってくる

テッサとノアの場合は、テッサからの一方的な別れなので、ここではテッサ側の心の変化について書くことにします。

高校時代の恋愛って、顔が好みとか一緒にいて楽しいとか私に優しいとか、そんな理由で好きになったりするもので、年齢とか財力とか肩書とか家柄とか諸々関係なく、「今が大事」的な感覚がほとんどです。

しかし大人の階段を登り始めると、あることが重要性を帯びてきます、そう相手の「将来性」ですね。愛だけでは生きていけない、ということがだんだん分かってくるんです。これは悲しくもありますが、とても現実的な考え方です。

ノアはまだ高校生です。優しくて一緒にいて楽しいけれども、年下で頼りがいがない(風に見える)、そして「将来性」の評価は”0″に等しい状態です。

一方ハーディンはというと、年上で頼りがいがありそう(に見える)で、同じ名門大学の学生で父親はそこの学長、そこそこイケメンでちょっと影がある(ミステリアス)。

何よりテッサを口説きに来てる。

ちょっと捻くれた見方かもしれませんが、テッサがハーディンに惹かれるのも、やはり必然なのです。

ティーンが見るなら、夏休み前がおすすめ

ハーディンに口説き落とされ、テッサはついにハーディンと初体験するわけですが、そのシーンではきちんと”避妊”していることがわかります。

夏休みの間に、雰囲気が変わる女子が多数発生することから、言わずもがな、そういうことです。ターゲット層にきちんと配慮したシーンを差し込んできたことは、とても評価できるところです。

この映画「アフター」は、ずばり

ジョセフィン・ラングフォードのプロモーション映画だ。

見ているとフッと気づくと思いますが、ほとんどのシーンにジョセフィン・ラングフォードが写っています。そして、顔のアップも異様に多いです。

多分、見た人に「この映画で1番印象に残っているのは?」って聞いたら、「テッサがすごく可愛かった」というのが大多数を占めるはずです。

興行的に成功しているので、ジョセフィン・ラングフォード的にはプラスに働きますが、ベストセラーの原作のストーリー性や、他のキャストたちが霞んでしまっているのは、少しばかり残念に思いました。

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